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『赤岩』知床昆布番屋の夏 ~漁師、家族、婆+わんこ~

日本最東北端、北海道知床岬を少しばかり南へ回り込んだ場所に位置する『赤岩』。
手付かずの大自然に育まれたその北の海は日本一の誉れ高き羅臼昆布の一大産地であり、夏の間その入江は多くの昆布漁船で賑わいをみせる。
しかし、かつてこの地で数十軒を数えた昆布番屋も合理化という時代の流れの中で、今は最後の二軒二家族と伝説の一老婆を残すのみとなった。
道路をはじめ電気、ガス、水道等の公共のインフラが一切ない、地の果てを思わせる陸の孤島での番屋暮らしは過酷を極めるが、この地に最後まで踏み止まった漁師とその家族、老女+わんこたちの胆力と、彼らが織り成す海辺の世界は、地の果てで人知れず坦々と繰り広げられるお伽話の挿絵さながらの風景であった。
これは、そんな風景たちを昆布番屋で働く人間の目線から撮影した8回の夏の記録である。

 

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